「ファイルメーカー(FileMaker)はもう時代遅れなのでは?」「これからkintoneやAirtableに乗り換えるべき?」と悩む人が増えています。長く使ってきた現場ほど、新しいクラウドツールの台頭を見て不安になりやすい話題です。
結論からいうと、ファイルメーカーは時代遅れではなく、用途次第で今も第一線で使える選択肢です。一方で、Webブラウザ完結のSaaSや無料のクラウドDBが充実してきたのも事実で、すべての業務にファイルメーカーが最適とは言いきれません。
この記事では、「時代遅れ」と言われる理由を冷静に整理したうえで、それでも選ばれ続ける強み、kintone・Access・Airtableなど代替ソフトの違い、使い続けるか乗り換えるかの判断軸、移行手段までまとめて解説します。導入中の企業の担当者にも、これから検討する人にも役立つ実務目線でお届けします。
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ファイルメーカー(FileMaker)は本当に時代遅れか?
結論として、ファイルメーカーは「時代遅れ」ではなく「合う/合わないがハッキリ分かれるツール」です。Web完結のSaaSが主役になった2026年現在も、自社業務にピッタリ合わせ込みたい現場では現役の選択肢として残り続けています。
その一方で、サブスクリプションモデルになったことで、ソフトライセンス費用が高くなっていることや、代替ツールの台頭で使いやすさで負ける場面も増えてきました。
本記事では「時代遅れと言われる理由」と「それでも選ばれる理由」を両方並べたうえで、ファイルメーカー開発を実際に手がける目線から、続けるべきケースと乗り換えを検討すべきケースを整理します。
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ファイルメーカーが「時代遅れ」と言われる主な理由
「ファイルメーカーは時代遅れ」といわれる背景には、いくつかの実情があります。代表的な4つの理由を整理しておきましょう。
- 少人数で使うと料金が割高に感じやすい
- Webブラウザ完結のモダンなSaaSと比べ、モバイル・Web体験で見劣りする場面がある
- kintone・Airtable・Notionなど代替ノーコード/ローコードツールが台頭してきた
それぞれを順に見ていきます。
料金が高いと感じやすい
ファイルメーカーをチームで使う標準プランは最低5ユーザーからという縛りがあり、数人の部署や個人利用には費用対効果が合いません。また、サブスクリプションモデルになったことで、ソフトライセンス費用が高くなっている場合もあります。
kintone・Airtable・Notionなど代替ツールの台頭
近年はノーコード/ローコードのクラウドDB系サービスが急増しました。サイボウズのkintone、海外発のAirtable・Notion・Glideなどが代表例で、いずれもブラウザだけで業務アプリを作れる手軽さが武器です。
ただし、後述するように作り込みの自由度や帳票出力の作り込みやすさではファイルメーカーが優位な領域もあります。「ライバル増加=古い」と短絡せず、用途で見極める姿勢が必要です。
それでもファイルメーカーが選ばれ続ける理由
批判ばかりが目立つようでいて、現場では今もファイルメーカーが選ばれ続けています。なぜ多くの企業が乗り換えずに残っているのか、3つの観点で整理します。
業務に合わせて作り込める柔軟さ
ファイルメーカー最大の強みは、入力画面のレイアウトから処理の流れまで、業務の独自ルールに合わせて自由に作り込める点です。「うちの会社特有の見積書フォーマット」「現場ごとに違う案件管理の流れ」といった、市販ソフトでは収まりきらない要件もそのまま形にできます。
kintoneやNotionは「決められた枠の中で軽快に動かす」のは得意ですが、複雑な帳票・独自の集計ロジック・データ間の細かなリレーション設計まで踏み込むと、ファイルメーカーの自由度には及びません。SaaSに業務を合わせるのではなく、業務にシステムを合わせたい現場にとって、ファイルメーカーは依然として有力な選択肢です。
MacとWindowsの両方で動く
ファイルメーカーはmacOSとWindowsの両方で動くクロスプラットフォームのデータベース開発環境です。とくにMicrosoft AccessがWindows専用の中、Mac、Windowsの両方が使用されている職場でも安心して使える価値は今とても大きいといえます。
iPhone・iPad向けのFileMaker Goが現場で使いやすい
iPhone・iPad用の「FileMaker Go」と組み合わせれば、Mac+iPadでオフィスから現場までを一気通貫で動かせます。タッチ操作前提のUIで、現場のiPadから入力・撮影・確認まで快適にこなせます。
長年の運用資産(既存ファイル)を活かせる
ファイルメーカーには30年以上の歴史と稼働実績があります。「10年前にファイルメーカーで作った顧客管理システムを最新版にアップデートしながら使い続けている」というケースも珍しくありません。蓄積した業務ノウハウとデータをそのまま活かせるのは、SaaSに乗り換えたら失われがちな価値です。
長年のスクリプトやレイアウトには、現場の改善要望が反映された「暗黙知」が詰まっています。「動いているものを動いたまま改善できる」というのは、現実の業務にとって非常に大きいメリットです。
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ファイルメーカーの代替ソフト一覧
「ファイルメーカーの代わりを探したい」「もっと手軽にWebで使いたい」という場合に検討候補となるツールを整理します。まずは特徴を一覧で見ていきましょう。
| ツール | ブラウザだけで使える (インストール不要) | Mac・iPhone/iPadで使える | プログラミング知識なしで構築できる | 複雑な業務ロジック・独自帳票に対応 | クラウド不要・手元で完結 (オフライン運用) | 無料で始められる | 強み | 弱み・つまずく点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ファイルメーカー | △ | △ | 自由度が高い | 無料プランがなく学習コストも高め | ||||
| kintone | △ | △ | 国内サポート・日本語UI | 高度なカスタマイズにJavaScriptが必要 | ||||
| Access | Excel連携 | 実用アプリにVBAが必要・Windows専用 | ||||||
| Airtable | △ | スプレッドシート感覚 | 複雑な帳票や大規模運用は苦手・UIが英語中心 | |||||
| Notion | △ | ドキュメント+簡易DB | 大量データの集計・複雑DBは苦手 | |||||
| Glide | △ | スプレッドシートからアプリ化 | スプレッドシート前提で複雑業務には不向き |
○=対応/△=条件付き・一部対応/×=非対応
kintone(サイボウズ)
国内でファイルメーカーから乗り換える先として最も比較されやすいのがkintoneです。Webブラウザだけで業務アプリを作成・運用でき、日本語サポートが手厚い点が評価されています。プラグインや連携サービスの選択肢も豊富で、中堅企業の社内システム基盤として導入が進んでいます。
ただし、kintoneは「決められたアプリを量産する」のは得意な反面、「複雑な帳票出力や多階層のリレーション」をガッツリ作り込むのは苦手な領域です。
シンプルな案件・顧客管理を全社で動かすならkintone、独自の帳票・複雑なロジックを組みたいならファイルメーカー、と分ける形が良いです。
Microsoft Access
Windows環境で長く使われてきたデスクトップDBがMicrosoft Accessです。Microsoft 365との親和性は高く、Excelとの連携にも強みがあります。Windowsオンリーで運用したい現場では今でも有力な選択肢です。
一方で、AccessはmacOSでは動作せず、モバイル運用やマルチデバイス展開には向きません。iPad現場運用や、Macメインのチームには採用しづらいツールです。
既存のAccess資産があり、それを発展させたい場合はAccessの維持、一方で部署横断・モバイル展開を視野に入れるならファイルメーカー、というのが切り分けの目安です。
Airtable・Notion・Glideなどのクラウド系
海外発のクラウド型ツールは、スプレッドシート感覚で軽快に動かせるのが魅力です。Airtableはスプレッドシートをそのままアプリに、Notionはドキュメントと簡易DBの統合、Glideはスプレッドシートをモバイルアプリ化できる、といった具合に個性が違います。
個人や小チームでの軽量な業務管理、社内ナレッジ整理、簡易な案件追跡といった用途には向いていますが、業務システム級の作り込みや、独自帳票の出力、複雑な権限管理にはやや力不足です。「とりあえずクラウドで軽く始めたい」段階の選択肢として考えるとよいでしょう。
言語面でも日本語UIや国内サポートはkintoneに分があり、運用責任を負う情報システム部門が日本語で完結したい場合は注意が必要です。
無料・フリーソフト
ファイルメーカーを無料で代替できるソフトを探す人も多いですが、ファイルメーカーと同等の機能を持つ完全無料ソフトはほぼ存在しません。最も近いのはLibreOffice Baseですが、業務運用に耐える同時利用やリレーション設計は厳しいのが実情です。
「ファイルメーカーで作った.fmp12ファイルを開きたいだけ」という用途であれば、Claris公式のFileMaker Pro無料トライアル(45日間)を使うのが最も現実的です。完全無料で長期運用したい場合は、AirtableやNotionの無料プランから始めるか、Googleスプレッドシート+AppSheetのような組み合わせを検討する形になります。
iPhone・iPad用の「FileMaker Go」自体はApp Storeから無料でダウンロードできますが、利用にはサーバーまたはProライセンスで動かす「対応アプリ」が別途必要です。「Goが無料=ファイルメーカーが無料で全部使える」というわけではない点に注意してください。
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「ファイルメーカーは時代遅れ?」に関するよくある質問
ファイルメーカーは廃止予定はありますか?
現時点でClarisから製品廃止のアナウンスは出ていません。むしろ、積極的に新しいバージョンに更新されていて、機能・性能ともに向上しています。
FileMakerの弱点は何ですか?
主な弱点は3つで、少人数導入だと割高になりがちなコスト構造、Web/Android中心の運用には不向きなクライアント設計、複雑な処理を組むほど属人化しやすい開発スタイルです。
とくに「社内で作った担当者が辞めると中身が解読できない」というブラックボックス化は、長年使い込まれた現場ほど発生しやすいリスクです。
個人利用でファイルメーカーを使うのは現実的ですか?
個人で本格運用するには料金面のハードルがやや高めです。試用・学習目的なら45日間の無料トライアル、長期的に勉強や検証で使うなら「Claris Developer Subscription(開発者向けライセンス)」が現実的な選択肢になります。
個人事業主の業務利用であれば、料金とのバランスを見てkintoneやAirtableの低価格プランも比較検討するとよいでしょう。
富山の有限会社シーズプランニングでは、ファイルメーカー(FileMaker)を活用したシステム開発と、既存システムの保守・改修・他ツールへの段階的移行のご支援を行っています。
「使い続けるべきか乗り換えるべきか相談したい」「既存ファイルメーカー資産を活かしたまま今風にしたい」といったご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
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