中小企業によくあるExcelの属人化をどう解消する? 富山のシステム会社が原因・対策を解説

中小企業によくあるExcelの属人化をどう解消する? 原因・対策を解説

「このエクセル、作った人しか中身が分からない」「担当者が休むと、その業務が丸ごと止まってしまう」。長く使ってきた管理表やマクロが、いつの間にか特定の人に依存した状態になっている会社は少なくありません。

これがエクセルの「属人化」です。属人化とは、ファイルやマクロの中身を特定の人しか理解できず、その人の退職や不在で業務が滞ってしまう状態を指します。

この記事では、主に中小企業向けにエクセルが属人化する原因と、放置したときに現場で起きること、そしてエクセルの中でできる対策から業務システム化までの解消の進め方を解説します。

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目次

エクセルの属人化とは?

エクセルの属人化とは、作成したファイルやマクロ(VBA)の構造・操作を特定の個人しか把握できず、その担当者の退職や不在時に業務が止まってしまう状態のことです。

エクセルは誰でも自由に作れる手軽さが魅力です。裏を返すと、その自由さゆえに一人ひとりが自己流でファイルを作り込み、いつの間にか「その人にしか分からない仕組み」ができあがりやすいツールでもあります。

エクセルでよくある属人化
  • 特定の人しかファイルやマクロの中身を理解できない
  • その人が辞める・休むと業務が止まる、または滞る
  • マニュアルがなく、作り方や意図が引き継がれていない

とりあえず始まったエクセル運用が、数年後には「その人がいないと回らない」状態になっているようなことが、エクセルを活用している多くの会社で起きています。

エクセルが属人化してしまう主な原因

エクセルが属人化する背景には、大きく3つの原因があります。

エクセルが属人化する主な原因
  • マクロやVBA、複雑な関数の多用で、作成者以外が中身を読み解けない
  • ExcelのバージョンやPC環境によって動作しないことがある
  • 個人のパソコンやローカルに保存され、最新のファイルが共有されていない
  • マニュアルや設計書がなく、作り方や意図が暗黙知になっている

とくに属人化しやすいのが、マクロやVBAを使って複雑な処理を自動化しているケースです。

マクロやVBA自体に問題があるわけではありませんが、仕様書やコメントが残っておらず、作成者しか処理内容を理解していない状態になると、担当者の退職や異動をきっかけにブラックボックス化しやすくなります。

エクセルの属人化がもたらすリスク

属人化したエクセル運用のリスクが表面化するのは、たいてい担当者がいなくなったときです。

属人化したエクセルが抱える3つのリスク
  • 退職・異動・急な休みで、その業務が止まる、または誰も対応できなくなる
  • 中身が分からず改修できないため、業務の変化に合わせられない
  • 特定の人に作業が張り付き、その人が休みを取りにくくなる

一番こわいのは、仕組みを作った人が辞めた後です。エラーが出ても直せず、仕様を変えたくても手が出せません。結局、古いパソコンや古いバージョンのエクセルを「壊さないように」抱え続けることになります。

担当者本人にとっても、属人化はつらい状態です。自分がいないと業務が止まるため休暇を取りづらく、負担が一人に集中し続けます。周囲も手伝いたくても中身が分からず、フォローできません。

エクセルの属人化が招いた現場の事例

私たちが実際にエクセルからの脱却をお手伝いした事例を紹介します。

数万点の在庫管理が「VBAで作られ、誰も直せない」状態だった

ある製造業では、数万点にのぼる部品の入出庫管理をエクセルで運用していました。ところがファイルはVBA(プログラム)で作り込まれており、改修できる人が社内にいない状態でした。

動作は重く、最新のエクセルではエラーが出ることもありました。棚卸しは手書きの紙をエクセルに転記して集計していたため、報告までに膨大な時間がかかっていました。

この業務をFileMakerのアプリに置き換えたことで、部品の検索から入力までが快適になりました。棚卸しはiPadでその場で入力・即時集計でき、発注が必要な数量になるとメメッセージが表示され、管理者にメールで通知が届く仕組みにしています。報告用の帳票もすぐ出力でき、事務作業の負担が軽くなりました。

BeforAfter
数万点の部品をExcelで管理FileMakerで一元管理
作った人以外が改修できないiPadから棚卸し
動作が重いその場で即時集計
紙で棚卸し発注数量になると警告
Excelへ再入力管理者へメール通知
集計・報告に時間がかかる帳票をすぐ出力

実績紹介:部品入出庫&棚卸システム(製造業)

古いマクロを動かすために、エクセルの更新ができないでいた

別の製造業では、当時在籍していた社員がエクセルのVBで作った帳票発行の仕組みを使い続けていました。問題は、その仕組みを動かすために古いバージョンのエクセルを残しておく必要があったことです。

動作は遅く、エラーも頻発。業務の変化に合わせて改修したくても、中身が分かる人はもう社内にいませんでした。全社的にMicrosoft 365への移行を進めるうえでも、この古いエクセルが足かせになっていました。

FileMakerへ置き換えたことで、Microsoft 365への移行後も安心して運用できるようになりました。このとき意識したのは、操作するオペレーターが固定されないよう、画面をシンプルで分かりやすくすることです。誰が担当しても使える形にすることが、属人化を繰り返さない一番のポイントになります。

実績紹介:かんばん印刷システム(製造業)

エクセルの属人化を解消する方法

属人化の解消は、いきなりシステム化するのではなく、まずエクセルの中でできることから始めるのがおすすめです。

エクセル内でも十分にできることとしては以下のようなことがあります。

  • ファイルの棚卸しをして、誰がどう使っているか一覧化する
  • 入力ルール・書式を標準化する
  • 個人PCではなく共有の場所で一元管理する
  • マニュアルを整備する

一方で、システム化を検討するエクセル管理の限界サインとしては、以下のような目安があります。

システム化を検討する目安
  • 複数人が同時に、同じデータを更新する必要がある
  • データベース化して、今までの履歴を横断的に検索したい
  • データ量が増えて動作が重い、ファイルが頻繁に壊れる
  • 帳票の出力や集計が複雑で、手作業のコピペが多い
  • マクロが事業の根幹を担っているのに、直せる人がいない
  • 「最新版はどれか」が分からなくなっている

Excelの不具合によって日常業務が止まったり、顧客対応や出荷、請求などに影響が出る状態であれば、そのExcelはすでに会社にとって重要な業務基盤になっています。そういった場合にはシステムへの移行を検討してもいいかもしれません。

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エクセルの属人化に関するよくある質問

マクロを使うのは悪いことなのでしょうか?

マクロ自体が悪いわけではありません。業務を効率化する便利な機能です。問題になるのは、中身を特定の人しか分からないまま、引き継げない状態で事業の根幹を担ってしまうことです。

使うなら、処理の内容や作り方を残し、複数人が把握できる状態にしておくことが大切です。

エクセルは全部やめたほうがいいですか?

いいえ。集計や一時的な資料づくりなど、エクセルが得意な場面は今も多くあります。やめるべきなのはエクセルそのものではなく、特定の人しか回せない業務をエクセルに載せたまま放置することです。

脱エクセルすべきかどうかについては以下の記事も参考にしてください。

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「Excelは時代遅れ」は本当? 脱エクセルによる改善事例も紹介 Excelは時代遅れなのかを業務システム開発会社の視点で解説します。数万点のデータでレスポンスが落ちた、作った社員がいなくなり改修できなくなったなど、実際に受けたご相談からExcel管理の限界とシステム化後の変化を紹介します。

エクセルのマクロ(VBA)はいつ廃止になりますか?

2026年9月時点では、VBAを廃止するという正式な発表は確認されていません。当面は使い続けられる見込みです。

ただし、廃止の有無にかかわらず、事業の根幹をVBA頼みのマクロに載せ続けると、担当者が代わったときに立ち行かなくなるリスクは残ります。重要な業務ほど、引き継げる形にしておくのが安全です。

小さな会社や少人数でも相談していいですか?

もちろんです。いきなり大きなシステムにする必要はありません。まずは一番困っている業務ひとつを小さく作り替えるところから始められます。ヒアリングからお見積もりまでは無料なので、現状を整理する段階からお気軽にご相談ください。

今使っているExcelをそのまま見てもらえますか?

はい。実際に使用しているExcelファイルや業務の流れを確認し、Excelのまま改善できるのか、システム化した方がよいのかを整理するところからご相談いただけます。

VBAの中身が分からなくても相談できますか?

はい。作成者が退職している、仕様書がないといった場合でも、現在のファイルや動作を確認しながら調査できる場合があります。

Excelのデータはそのまま移行できますか?

データの状態によりますが、既存のExcelデータを整理・変換して新しいシステムへ移行できるケースは多くあります。まずは現在のファイル構成やデータ内容を確認します。

エクセルの属人化でお悩みの方へ

有限会社シーズプランニングは、1996年の創業から30年、中小企業向けのWEBシステム開発やFileMakerを使った業務システム開発を手がけてきました。

私たちは、お客様の「IT部門」として現場の困りごとを直接聞くことを大切にしています。「作った人しか分からないエクセル」を、現場の誰でも使える形に置き換えるお手伝いが得意です。要件定義から開発、サーバー構築、導入後の保守まで、社内のチームが一貫して対応します。

フットワークの軽さも強みのひとつです。「ちょっとした相談をすぐしたい」という声に応えるため、レスポンスの早さも大切にしております。社内では、「できるだけ15分以内に一次返信する」ことを行動目標としています。

「今のエクセル管理に限界を感じている」「まずは一番困っている業務だけ相談したい」といった段階からのお問い合わせでかまいません。ヒアリングからお見積もりまでは無料です。どうぞお気軽にご相談ください。

\ Excelのままで改善できる?システム化すべき? /

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